Q.軽い痛みでも診てもらえますか?
はい。軽い痛みといっておろそかにせず、積極的に治療していこうというのがペインクリニックです。
軽い痛みを放置すると、大きな痛みになっていくことが多く、痛みを早く的確に治療することが大切ですので、早期に受診してください。
Q.痛みを我慢しているとどうなるのですか?
まずは、痛みの原因となっている場所での血液の流れが悪くなり、筋肉の緊張を引き起こします。その結果、その部分に痛みの発生物質が作られ、さらにそれが新たな痛みを作り出します。
この繰り返しが頑固な痛みにつながります。ペインクリニックでは、繰り返しの神経ブロック療法によってこの「悪循環」を断ち切り、血液の流れを良くすることで痛んだ神経を修復し、痛みをとると同時に炎症も鎮めます。
Q.痛みをとると原因となっている病気も治りますか?
痛みを取り除くことで、痛みの原因となっている病気がすべて治るわけではありません。病気によっては他科での治療が必要な場合があります。その際には適切な専門病院を紹介させていただきます。
ペインクリニックと他科の治療を併用することによって病気の回復は確実に早くなります。
Q.治療はどのぐらいの期間が掛かりますか?
治療期間は、病気の種類や重症度、その方の年齢などによってまちまちです。たとえば、腰椎椎間板ヘルニアで考えてみますと、1回の神経根ブロック、2~3回の腰部硬膜外ブロックで簡単に痛みが治まってしまう方もいらっしゃれば、かなり長くかかる場合もあります。
また、場合によっては、神経ブロック療法よりも手術を受けられた方が良いこともあります。
Q.神経ブロックの効果はどのくらい持続しますか?
神経の状態によりますが、1回の神経ブロックでかなり痛みが軽減することもあります。しかし、痛みが慢性化し神経の状態が悪い場合には、神経の改善は徐々にしか進まないために、時間がかかることがあります。
Q.治療は保険診療ですか?
基本的には保険診療です。
Q.初めて受診するのですが、どうすればよいですか?
電話での予約をお願いいたします。可能であれば紹介状をご持参ください。
Q.心理療法について。心理士によるカウンセリングとは?
痛みを抱える人の多くは、痛み自体が「ストレス」となって、身体面・心理面に影響をあたえています。痛みによって、些細なことでも落ち込みやすくなったり、普段なら気にならないことにでも怒りっぽくなったり、楽しいことを楽しめなくなってしまうのです。これらによって、仕事や趣味などに取り組むことが難しくなります。その結果、痛みにばかり注目してしまい、極端な感情、思考、行動を持ってしまいます。例えば、痛みが起こると「この痛みは一生なくならない」と思ってしまい、起こっている現実に対して悲しみや怒りを感じ、痛みが取れるまでは、仕事や外出を控えようと思ってしまった結果、より痛みにとらわれてしまう状態がおこりうるのです。
この痛みに対する極端な、感情、思考、行動に対しては、脳(こころ)の「認知のくせ」が影響していることが多いと考えられます。この「認知のくせ」が起こってしまうと、痛みを感じるセンサーが敏感になりやすいとも言われています。そのような状態になると、薬物療法やブロック注射だけでは、痛みが軽減しない人もいるのです。
そこで有効なのが、心理療法(カウンセリング)と呼ばれる、心の専門家(公認心理師/臨床心理士)との対話を通して、認知や感情、思考、行動、身体感覚を変化させようとするアプローチです。この対話を通して、認知や感情、思考、行動、身体感覚が変化したり、改善されたりすると、同じ痛みであっても受け取り方が変化し、痛みセンサーも通常に戻るのです。
心理士が用いる心理療法には、様々な技法があり、痛みの治療として有効であると言われているのが、「認知のくせ」に直接働きかけて気持ちを楽にする「認知行動療法」(マインドフルネス、ACT(アクセプタンス&コミット・セラピー))や「催眠療法」と呼ばれる心理療法や、「自律訓練法」「呼吸法」などのリラクゼーション法があげられます。
最初は軽い腰痛であっても、痛みが続くことで行動が制限されたり、心理面に影響を与えたりして、なかなか治療をしても治らない痛みを作り出す訳ですが、ここには、「認知のくせ」が影響していることもあるのです。これに対して、薬物療法やブロック注射に加えて心理療法を併用することで、痛みを軽減し、行動の幅を広げて、痛みとうまく付き合っていくことができるようになるのです。